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第5章 潮
「な、何だ、お前ら?」


麻琴は殴られて気絶しているのか、頬が腫れ唇の端には血がこびりついている。

潮が唇を噛みしめ拳を固めると同時に、男は四人とも見えない手で張り飛ばされたように部屋の奥の壁に勢いよくメリ込んで動かなくなった。


訳がわからず傍らを見ると、月野が泣きそうな顔で突っ立っている。


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