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第5章 潮

「兄貴…なのか？」


潮の問いに"彼"の肩がビクッと反応した。

「あ、ズルいですよ！ちゃんと話を…いや、ダメでしょそれ…あ〜ッもう！」

ワケのわからない独り言を呟き、自分の上着を羽織らせてから麻琴の身体を横たえて、すっくと立ち上がった月野はいきなり壁に頭を打ち付け始める。


ガンガンガンッ！


…かなり痛そうである。

「お、おい、月野…？」