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ジッパー様
第7章 忍び寄る手
 隣の部屋には、高級感のある革の椅子が部屋の中心にポツンと置かれてあり、それ以外の家具は何もなかった。部屋全体も少し薄暗く、なんだか少し違和感を感じた。


「座って、ハルカ」


 部屋の隅から化粧道具が入ったワゴンを押して、メガネ女が現れる。私は言われるまま、高級感のある椅子に座ると、身体が深く沈み込んだ。


「目を瞑って、ハルカ」


 私は言われた通りに目を瞑る。化粧をするのもされるのも初めてで、内心ドキドキした。


 いい匂いがしたかと思うと、顔に冷たい何かをつけられてビクッとする。でも段々気持ちよくなって、椅子の座り心地さもあり、私は段々意識を手放した。




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