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あの海の果てまでも
第4章 新月の恋人たち 〜新たなる運命の扉〜
「…アルフレッドは私を学校に通わせてくれて、様々なことを教えてくれました。
付きっきりで教えくれたのは英語だけでした。
ほかは、私の自主性を重んじてくれました。
兄は…どちらかと言うと私を庇護したがり、自分が護らなくては…という使命感を強く感じていたように思います。
だから私が兄の知らぬところで何かしたり、兄の知らぬひとと親しくなるのをとても心配していました。
…けれど、アルフレッドは違いました。
自分の脚で人生に立ち向かえるように、私が転んでもすぐ抱き上げることはせずに、ただ一番近くで見守ってくれました。
…それから、人生を楽しむことを教えてくれました」
「人生を楽しむこと?」
「ええ。
自分の殻に閉じこもり勝ちな私を外の世界に連れ出してくれました。
…『藍、見てごらん。
ここ、倫敦には人種や宗教の違うさまざまな人がたくさん暮らしている。
彼らはひとりひとりの人生を謳歌しているのだよ。
君も人生に楽しみを見つけるんだ。
そうしたら、君の人生はきっともっと美しく豊かに輝く』
…と」


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