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My Godness~俺の女神~
第11章 喪失、そして再生 ♣ここではないどこかへ♣
だがと、悠理はかすかに首を振る。そんなことがあり得ようはずがない。現実として悠理が生まれたのは別の町で、この風景は一度として眼にしたことがないものなのだ。きっと、今の自分は感傷的になりすぎているのだろう。彼は自分に言い聞かせた。
「次は切(きり)別(わけ)、切別。お降りの方はお急ぎ下さい~」
車内アナウンスが流れ、悠理は慌てて傍らのナップサックを担いだ。
バスが停留所で停まった。