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My Godness~俺の女神~
第11章 喪失、そして再生 ♣ここではないどこかへ♣
彼は怖かった。自分がいつか実里や子どもに逢いたいという欲求に抗えなくなり、ふらっと彼女たちの前に姿を見せてしまうのではないかと怯えていた。
ここではないどこかへ、自分を知らない人たちの住む遠い町へ行けたなら。心で実里たちに別離を告げたあの日から、その想いは常に彼に纏いついていた。そして、今日の早朝、気がついたら、ナップサックに数日分の着替えと有り金を突っ込んでバスに乗っていた。