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My Godness~俺の女神~
第11章 喪失、そして再生 ♣ここではないどこかへ♣
悠理はふと思いついて、起き上がった。部屋の片隅に置いてある唯一の家具らしいカラーボックスを振り返る。それは三段で、優しいクリームイエローだ。長い年月であちこち塗装が剝げているが、どこかが壊れているというようなことはない。悠理は背負ってきたナップサックを無造作に放り込んでおいたのだ。
ナップサックを引っ張り出す時、カラーボックスの上に置かれているガラスの一輪挿しがふと視界に入った。