この作品は18歳未満閲覧禁止です
My Godness~俺の女神~
第12章 【喪失、そして再生~ここではないどこかへ~】♣海の女神♣
「はいっ」
悠理は一礼すると、勢いよく引き返した。
競り市場を出ようとしたまさにそのときである。
向こうから狭い道を若い女が歩いてきた。二十代後半といったところか。色の白い、細面の容貌は美人といって遜色はないけれど、どこか淋しげな印象を与える。
女は悠理には気を払うこともなく、通り過ぎていった。ふと気になって振り向くと、彼女は市場に入り、真っすぐ網元に向かっている。