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第13章 ♣海ほたる舞う夜♣

　判っている。柊路には感謝こそすべきで、恨むこと自体が間違っているのだ。聞くところによると、柊路は実里の生んだ子―つまり悠理の子を我が子として籍に入れるつもりらしい。つまり、戸籍上も、悠理の血を分けた子どもは柊路の実子ということになる。
　我が子でもない他人の子を籍に入れるということの重さを悠理も理解できないほど愚かではない。戸籍上も実子とするからには、柊路は生涯、その子に対して親としての責任を負わねばならない。よほどの覚悟がなければ、できない重い決断であったはずだ。