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嫌いな男
第2章 初めての男(梨花)
テニスの練習で膜が破れていたのか、幸いなことに梨花は初めてだったにも関わらず出血しなかった。
寂しい気もしたけれど、嘘がバレずに済んだことに今はホッとしていた。


「すごく良かったよ、リカちゃん」

男は梨花の恥ずかしい写真を撮ったり素性を根掘り葉掘り聞いたりすることもなく、数枚の紙幣を彼女に渡して帰って行った。

酔っ払いのエロおやじだが、少女を金で買うようなロクデナシの中では良い部類の男だったのだろう。
最低の精神状態で暴走したものの、最悪の展開にならなかったのは不幸中の幸いといえよう。



しかし、梨花の運の良さもここまでだった。

「秋永」

いつから見ていたのか、振り向くと梨花の担任教師が立っていた。



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