この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それぞれの後編
第15章 【うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww】続2
夏休みも残りわずか。
煌太の母親からは度々電話があるものの、一向に帰る気配がない。
「夏休み中、ずっと居る気かよ?」
夏期講習帰り、不機嫌なむぅの声が煌太に降り注ぐ。
「俺の家は音羽の家から遠いんだよ。声聞いたら会いたくなるだろ? 俺、会いたくなったら我慢出来ないから…むぅの家にいればすぐ会えるじゃん?」
ドヤ顔で語る煌太に、むぅは大きなため息を吐き出した。
「あ、帰ってきた!」
いつの間にかむぅの家はすぐそこで、むぅの母親の声に2人して顔を上げる。
「……誰?」
玄関からこちらを見ているのは、むぅの母親ともう1人。
見知らぬ若い男性に、むぅは首を傾げた。
「─────っ、げっ‼︎ 」
その男性を見て、2歩3歩と後ずさる煌太。
「煌太‼︎ 」
むぅの後ろへと隠れてしまった煌太に、その男性が大股で近付いてきた。
「……誰?」
眉を顰めて聞くむぅに、
「あ、君がむぅくん? うちの煌太が長々とお世話になりました」
男性はにこやかに答える。
むぅよりは確実に年上だろうその男性。
30代くらいだろうか……笑うと更に幼く見える。
「どうも。煌太の兄貴ですか?」
「いや、父親です」
「ええっ⁈ 父親っ⁉︎ 」
むぅも煌太も三人兄弟の末っ子…互いの父親の歳は近いだろう。
だが、とても自分の父親と同じくらいには見えない。
(見た目年齢、若過ぎだろ…)
珍しく、むぅが目を見開いたまま固まった。
煌太の母親からは度々電話があるものの、一向に帰る気配がない。
「夏休み中、ずっと居る気かよ?」
夏期講習帰り、不機嫌なむぅの声が煌太に降り注ぐ。
「俺の家は音羽の家から遠いんだよ。声聞いたら会いたくなるだろ? 俺、会いたくなったら我慢出来ないから…むぅの家にいればすぐ会えるじゃん?」
ドヤ顔で語る煌太に、むぅは大きなため息を吐き出した。
「あ、帰ってきた!」
いつの間にかむぅの家はすぐそこで、むぅの母親の声に2人して顔を上げる。
「……誰?」
玄関からこちらを見ているのは、むぅの母親ともう1人。
見知らぬ若い男性に、むぅは首を傾げた。
「─────っ、げっ‼︎ 」
その男性を見て、2歩3歩と後ずさる煌太。
「煌太‼︎ 」
むぅの後ろへと隠れてしまった煌太に、その男性が大股で近付いてきた。
「……誰?」
眉を顰めて聞くむぅに、
「あ、君がむぅくん? うちの煌太が長々とお世話になりました」
男性はにこやかに答える。
むぅよりは確実に年上だろうその男性。
30代くらいだろうか……笑うと更に幼く見える。
「どうも。煌太の兄貴ですか?」
「いや、父親です」
「ええっ⁈ 父親っ⁉︎ 」
むぅも煌太も三人兄弟の末っ子…互いの父親の歳は近いだろう。
だが、とても自分の父親と同じくらいには見えない。
(見た目年齢、若過ぎだろ…)
珍しく、むぅが目を見開いたまま固まった。