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それぞれの後編
第1章 身代わり妹〜第一章〜【宝物】
誰も知らない街で、
思い出すのは、由美さんと凌太と過ごした楽しかった時間ばかりだった。
逃げ出したのに、凌太が忘れられない。
苦しくて、苦しくて…暗闇からは抜け出せなかった。
でも─────
1ヶ月も経たず、私の中に光が差した。
私のお腹に、優太(ゆうた)……凌太との赤ちゃんがやって来たんだ。
「…ゆっ、美優っ、美優!」
目の前で、心配そうに私の顔を覗き込む凌太の声にハッと我に返る。
「ごめん! 何?」
リビングのソファーを占領していた身体を慌てて起こした。
「大丈夫か? まだ煌太の夜中の授乳で寝不足だよな」
くしゃくしゃと、凌太が私の頭を撫でる。
「平気だよ。ちょっとボーッとしてただけ」
私が笑えば、凌太も口の端を上げ、笑顔を見せてくれた。
思い出すのは、由美さんと凌太と過ごした楽しかった時間ばかりだった。
逃げ出したのに、凌太が忘れられない。
苦しくて、苦しくて…暗闇からは抜け出せなかった。
でも─────
1ヶ月も経たず、私の中に光が差した。
私のお腹に、優太(ゆうた)……凌太との赤ちゃんがやって来たんだ。
「…ゆっ、美優っ、美優!」
目の前で、心配そうに私の顔を覗き込む凌太の声にハッと我に返る。
「ごめん! 何?」
リビングのソファーを占領していた身体を慌てて起こした。
「大丈夫か? まだ煌太の夜中の授乳で寝不足だよな」
くしゃくしゃと、凌太が私の頭を撫でる。
「平気だよ。ちょっとボーッとしてただけ」
私が笑えば、凌太も口の端を上げ、笑顔を見せてくれた。