この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
201-202
第2章 クリスマス


[...今日は12月24日金曜日、クリスマスイヴということで、夜にお出かけされる方も多いと思いますが、今夜の◯◯市、最低気温は2℃と、かなり冷え込む見込みでー]

「クリスマス、かぁ...」

寝ぼけ眼で朝のニュース番組を見ながら、ヘアアイロンで髪を整えるいつもの朝。女性アナウンサーがサンタ帽を被り、“いかにもクリスマス”という装いで天気予報を伝えているのを流し見る。彼氏なし、仕事も大詰めとなれば、そんなことはすっかり頭から抜けていた。クリスマス一色の街を歩いているとクリスマスが近いんだなぁ、今年も一人だなぁと感傷に浸ることもあるが、それよりは週末までの日数を月から金まで指折り数えるのが優先されてしまうのだ。
髪の支度を終えるといつも通りのメイクを済ませ、クローゼットを開ける。

「私はいつも通り仕事ですよーだ」

そんな悪態をつきつつ、手が伸びたのは綺麗めなワンピース。仕事の日はパンツにすることが多いけれど、別に見栄を張るわけではないけれど、なんとなく少しオシャレをして行きたくなった。せっかくだから、と普段仕事にはつけていかないイヤリングもアクセサリースタンドから手に取る。仕事なので、シンプルなデザインのものをチョイス。

「...うん、良い感じ」

全身鏡に映る自分の姿は、我ながらまあまあ良い仕上がりだ。悲しいのはこの姿を見せる彼氏がいないことくらいか。大学生のとき、当時の彼氏と別れてからというもの、3年以上彼氏なし。友人に誘われて合コンに行く機会くらいはあったものの、交際まで発展する出会いはなかなかなかった。

「...岩瀬さんに見せたら、可愛いって思ってくれるかなぁ...」

岩瀬さん。今年の春に隣の部屋に越してきたお隣さんだ。私のずっと気になっている人。
とはいえ所詮アパートのお隣さん同士。たまに顔を合わせた時に挨拶する程度で、なかなか話をする機会はないし、そもそも彼女がいるかどうかも知らない。見かけた時に指輪をしていたり、部屋に女性が出入りしていたりする様子は見られないけれど...

「今日明日、予定あるのかなぁ」

聞く勇気も、聞けたとして誘う勇気もない。恋愛は奥手な方だと自分でも思う。どうきっかけを作ったらいいのかもわからない。なかなか踏み出す勇気は出ないけれど、彼と話してみたい、どんな人なのかもっと知りたい。そう思い続けていた。
/13ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ