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第10章 バスルームでの絶頂

バスルームの床にだらしなく座り込んだ詩織。
軽く肩に触れただけでビクッと肩をすくめた。
｢詩織、今いっちゃったの分かる？｣
しばらく黙っていた詩織が、聞こえるか聞こえないかの小さな声で｢うん…｣と返し、小さく頷いた。

今の感覚はこないだ言われたことそのものだった。
体の中から何かが込み上げ、フッと体が宙に浮くような感覚があり、急に意識が遠のいて行った。
その時、頭の中が真っ白になったのを覚えていた。
詩織はようやく、自分が絶頂したことを意識し始めた。

｢詩織、もう1回イキたい？｣
｢イキたい…｣
こないだは自分がイったことさえ分からなかった。
しかし、イったことをハッキリと認識した今、詩織はもう一度あの感覚を味わってみたいと思っていた。