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淫魔の宿へようこそ
第4章 悪魔のお客様達

「うん。 ありがと、ニコル」
ドルードが微笑んで言いましたがニコルにとってはちょっと慣れない空気です。
彼が髪を上げているせいか、もしくはスーツで正装しているせいでしょうか。
今夜の彼といったらいつもとはまた違う、凛々しくも思春期独特の危うい男性的な魅力に溢れており、翡翠色の瞳は神秘的で。
そんな街には見かけないような人物に、至近距離で微笑まれるとニコルは神々しくて目がクラクラしました。
思わず赤面して目を背けそうにすらなりましたが、今日はそんなことを考えている場合ではありません。
ニコルは何度もブンブン顔を横に振りました。
「ニコル? マエロがせっかく髪をスタイリングしてくれたのにそんなにヘッドバンキングしてたら乱れるよ」
「それが、あ、あのっ…つい目のやり場に困っ…」
そんなニコルにドルードはクスクスと小さく笑いました。
今晩のニコルは動きやすいシンプルなドレスにエプロンをつけています。
せめて髪ぐらいは、とマエロが後ろに流して整えてくれたのでした。
「ニコル……そう固くならないでよ。 元のように長く伸ばすといいよ。 栗色の綺麗な髪だったよね」
そう言って彼がニコルに手を重ねてきました。
ニコルはそれを払いのけたくてならないのに出来ません。

