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第11章 第11章 麗と弥生
弥生は歩き始め、麗は啓子に頭を下げ弥生の後を追った
受付の脇を通り 外に出ると小道が 緩やかな坂道を
降りて行くと 露天風呂と書かれた看板が矢印を見せ
弥生に付いて、大きな暖簾を潜り女子と書かれた
扉を開け中へ、弥生が服を脱ぎ始め麗も従い
裸に成ると扉を開け、露天風呂へ、石畳の洗い場の
向こうに岩で囲われた露天風呂が見え、二人掛かり湯を
露天に流れ込むかけ流しの湯の音だけが聞こえ
露天風呂に体を沈めた、

弥生は更衣室で麗の裸を見た時、息を飲んでいた
余りに痩せた麗の裸、手足は細くあばら骨が見え
お腹に太腿に、そして背中に見る無数の浅黑い
痣の様な物が、判っていても聞いてしまった

「 尚也 ? 」

麗の動きが止まり、少しの間が開き頷いた
弥生の顔が歪み、涙を堪えてドアを開けて
露天風呂へ歩く後姿に、麗が慌てて後を追った

「 ずっと居て良いよ 」
昼の光が目の前の山並みの緑を色濃くさせ
二人露天風呂から眺め、弥生が呟く様に言った
弥生に顔を向けた、歪めた顔で麗を見て来る

・・・ゴメン・・・

・・・ゴメン・・・気が付かなくて・・・


弥生の頬を涙が、 麗が首を振り

・・・・ありがとう・・・・
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