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第13章 第13章 直美

「 紅茶で良かった? 」
カップを二つ持ち 座って居る直美に
一つを差し出して来た
直美は受け取ると、お礼を言い頭を小さく下げた、
「 ショール有難う、 」
椅子に座った女性が、細面の顔に笑顔を浮かべ直美を見て、
少し間が開いて
「 家出して来たの ? 」
直美は目を丸くして前に座る女性を見た
「 電車で貴方の横で、携帯してたでしょう 」
直美が小さく頷く
「 貴方がそのキャリー押さえている姿見て
家出してきたんだなと 思ったの
旅行に行くなら、もう少し楽しそうな顔を
するわよ、」
長い髪を何時の間にか後ろで束ねた女性は
直美をしっかりと見つめて言って来た
「 ご両親 心配するわよ 」
女性が心配そうな目で、直美を真剣な目で
見つめて来る
「 両親・・・・・・・いません 」
前に座る女性の目が大きく開かれ、言葉を飲んだ
「 家出してきたのでは無いのネ ? 」
確認する様に直美の目を覗き込んで来る
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・イエデ・・・・・・・・
直美は小さく呟き首を振って
「 家から、逃げて来たんです 」
「 どういう事? 話してごらんなさい 」
女性が持っていたカップをテーブルに置いて
姿勢を正して直美を見つめて来た、直美は
昨夜の事には触れず、大学への道を閉ざされ
卒業した後、望まない仕事を強いられている事を
話した、
・・・・・ そうなの ・・・・・・
話しを聞き終わった女性が時計を見て
「 大阪へ行って泊る所は?働く処は有るの? 」
俯いた直美が首を振る
「 私の処へ来ない ? 」
直美が顔を上げ、女性の顔を見つめた
「 私、小さな旅館の女将なの、もうすぐ
迎えの車が来るから、一緒に行かない? 」
少し躊躇した直美は、女性の目を見て頷いた

