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バーチャルお見合いシステム
第6章    (2)サトシキャンセラーの恩恵
『ああああ~ッ、良かった~~~ッ、めっちゃくちゃ気持ちよかった~~~ッ、よし、この勢いで彼氏とたっぷり楽しもう~ッ』
リエが向かった先は、生徒会室。

「ヨシト~~~♡おはよう~~~♡」
「ああ、おはよう」
そこに、中2の生徒会長ヨシトがいた。
ヨシトは、リエが今付き合っている彼氏である。

「ねえ、ヨシト~♡バーチャルエッチ、しよ~~~♡」
「え?あれ使ったら、行政に通知されて、僕たち仲を引き裂かれちゃうよ?」
このバーチャルお見合いシステムは、ロリコンホイホイの役割の他に、未成年者同士の恋愛を規制する目的も備えていた。
このシステムが国会で提案された時、そういう風紀を乱すっぽいことに大反対な保守派の議員たちがこぞって大賛成し皆不思議に思っていた。このシステムの行政通知機能が
「未成年者同士の恋愛は、けしからん!あいつらすぐにエッチするし、オナニーばかりして勉強しないし。子供同士の恋愛は禁止すべきだ」
という保守派の思考とものの見事に合致したのだ。

未成年者がバーチャルお見合いシステムを使うと、行政と保護者に瞬時に通知が行く。
相手が大人だと、その大人は逮捕され、刑務所行き。
そして子供同士だと、保護者は
「バーチャルといえどエッチするなんてもってのほか!交際禁止!」
という判断になり、恋愛関係は引き裂かれるのである。
これが、馬に蹴られろ制度といわれるゆえんである。

「それがね…」
リエは、サトシ先生が作った通報キャンセラーコマンドを、ヨシトに説明した。
「だから~♡バーチャルエッチしても、通報されないよ~♡ねえヨシト~♡しよしよ~♡」

ヨシトは喜んで、リエが差し出した手のひらに自分の手のひらを重ねようとして、ふと
「うん?先生がキャンセラーを作ったって、なぜ知ってる?リエおまえ、まさか…」
と怒りをあらわにした。
リエは
「ヨシト~♡ごめんなさい~~~♡先生に、エッチやらないと成績落とすと脅されて~♡」
と言い訳した。
(本当は、自分から手のひらを差し出したんだけどね。てへぺろ~)
「くそーッ!あの先公ーッ!後で袋にして、行政に告発してやるーッ!」
「ああー、袋叩きにするのはいいけど、告発はやめて。キャンセラーが利用できなくなるよ」

というわけで、生徒会室で中1女子リエと、中2男子ヨシトが手のひらを重ね合わせた。
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