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第20章 転機

　我知らず声が上ずった。



「どう考えても、私が世子にふさわしいとは思えません。どうか、もう一度、お考えになっては戴けませんか」



　王が小さく笑った。




「もう決めたことだ。これでも王ゆえな、一度口に出したことを翻すつもりはない。朕の見たところ、王としての資質を有し、最も世継ぎにふさわしいのは文陽君一人しかおらぬ」