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第5章 突然の別離

　いつもなら甲斐甲斐しく給仕してくれるのに、今日は風呂敷を取ろうともしない。アジョンの様子はどこか切迫しており、ただならぬものを感じた。



　気になって側にゆくと、アジョンは一旦断ってから、雪鈴のチマを捲り、白い肌に走る無数の傷跡に言葉を失った。



「何という酷い」



　彼女は涙ぐみ、袖から小さな陶製の器を出し、薄緑色の軟膏を傷に丁寧に塗ってくれる。