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第28章 哀しきすれ違い

「玉座は我が子ではなく、あなたの生み奉る御子ーつまり先王殿下の御子に譲るつもりだ」




　確かに、先王の遺児と新王の御子との間で王位継承争いが起きるのではないか。そんな口さがない噂が早くも囁かれており、雪鈴も知らないわけではなかった。ただ、雪鈴の胎内の御子もいまだ生まれておらず、新王の御子に限っては存在すらしていない。