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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第29章 月夜の逢瀬
 だが、たとえ誰が知らずとも、空に浮かぶ月はちゃんとすべてを見ていたはずである。




 コンが近づいてきたので、雪鈴は面を上げた。背後にいた馬尚宮は心得たもので、すかさず国王と雪鈴から距離を取り、慎ましく面を伏せる。この距離であれば、小声で話せば馬尚宮に聞かれる心配はない。
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