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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第31章 早春の海辺

「そう、か。そなたの懐妊を知った時、俺は恐らくは腹の子は先王殿下の胤ではないと疑った。さりながら、先王殿下ご自身が我が子だと認められ公にもそのように発表された以上、そうなのだと認めざるを得ぬ。医学は日々進歩しているから、万が一ということも有り得る。子ができぬと言われていても、現実として予期せず授かった夫婦の話は珍しくはない。刻が経つにつれ、やはり、そなたの腹の子は先王殿下の胤なのだろうと諦めにも似た想いを持つようになった」

