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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第4章 序章~最初の「死」~

しかしー。既に連絡が入っていたのか、父は雪鈴に背を向け、ろくに話をしようともせず、母としか話らしい話ができなかった。絶望した雪鈴はまた逃げ続けなければならなくなった。そこで、彼女は思い出したのだ。亡くなった良人ハソンがくれた形見とも言うべき品があった。
それは兎を象った愛らしい文鎮だった。女ながら書物に親しみ、書を良くすると話した妻のために、ハソンが贈ったものだ。
ー書き物をしないときは、飾りとしても使えるよ。
それは兎を象った愛らしい文鎮だった。女ながら書物に親しみ、書を良くすると話した妻のために、ハソンが贈ったものだ。
ー書き物をしないときは、飾りとしても使えるよ。

