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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第35章 出逢い~黄金の少女(おとめ)~
例えば、若い女官の集団とすれ違う時、彼女たちは世子に対して一様に脇へと寄り、深々と頭を下げる。彼がその傍を通りすぎてまもなく、キャアキャアと騒がしすぎる歓声が沸き起こるのは毎度だ。そんな時、賛はあからさまに眉を寄せ、足早に去るのが相場だ。
しかし、陽善大君はといえば、振り返り、彼女たちに笑顔をふりまいて愛想良く手を振るのだ。彼女たちはまた、キャッキャとはしゃぐのは間違いない。