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第35章 出逢い～黄金の少女（おとめ）～

　しかも、賛の父はただの父親ではない。この朝鮮の至高にある王であり、賛だけではなく万民の父なのだ。父は彼が物心つく前から、父親であるより前に王だった。




　王の背後には立派な衝立がある。峻厳な山々と日輪だ。龍の化身と崇められる国王を象徴する伝統的図柄である。父は鶯色の座椅子(ポリヨ)にゆったりと座り、母はその左少し下座に座っている。