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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第35章 出逢い~黄金の少女(おとめ)~
父は母一人を寵愛し、側室は置かない。だが、女性に対して無愛想なのかといえばそうでもなく、かえって愛想は良かった。後宮に渡っても、最下級の婢女(ムスリ)にまで優しく声をかける。ただ、父は王が後宮の女に対して余計な情を示すことの意味をよく理解はしていた。けして相手に妙な期待を抱かせるような意味ありげなことは一切口にしないし、態度にも出さない。その辺りは徹底していた。