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第37章 秋桜（コスモス）の夢

　我ながら、何とも説得力のない言い訳だ。ウンシクとやり合った時、賛の様子は到底、妹を守る兄には見えなかった。華月があの場にいなくて、幸いだったかもしれない。



　けれども、眦(まなじり)の切れ上がったその瞳は、



ー嘘八百を言っても、すべてお見通しだよ。


　と言っている。



　当然だろう。昌はともかく、賛は生き馬の目を抜く苦界の女たちをごまかせるとは思っていない。