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第39章 葛藤

ー中殿さまのお召し出しだ。逆らわぬ方が身のためだと思うが。この見世はなかなか羽振りも良いと見たが、ここで商いができなくなっても良いというのか？



　言外に、遊廓の一つや二つ、裏から手を回せば営業停止に追い込むのは造作もないと脅迫していた。これには、気性の荒い女将も怖れをなしたらしい。



　海千山千の女将が狼を前にした子犬のように尻尾を巻いて頷いたほどだ。