パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第40章 花、薫る夜

「そこまでだ、陽善」



　賛が小走りに近づいてくるや、桂花と陽善大君の間に割り入った。大君が面白い見世物でも見たように言う。



「兄上、女の前で血相を変えるのはみっともないですよ」



　こうして二人並ぶと、まさに双子とでも言いたいくらい兄弟は似ている。が、賛の方は毛を逆立てた猫のように大君に敵意を露わにしている。