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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第40章 花、薫る夜
 賛は桂花と並び、ゆっくりと夕陽が照らす道を歩き始めた。




 同じ頃、陽善大君は途中で出くわした中年の官吏に引き留められ、長話に付き合わされて閉口していた。礼曹の参判だというその男は自らの娘を彼に娶せたいらしく、しきりに娘を売り込んでくる。




 彼は適当に相槌を打ちながらも、その実、官吏の話をろくに聞いてはいなかった。やっと解放され男とは別方向に歩きながら、彼は心でぼやいた。
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