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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い
「行ってくる」
ホン内官が気遣わしげに言う。
「邸下、お願いですから、殿下と親子喧嘩なんて、なさらないで下さいね」
賛が中宮殿の階を登ると、両側から扉が開く。賛は磨き抜かれた廊下を横切り、控えの間の前に立った。再び女官たちによって扉が開き、中に入る。控えの間には見慣れた馬尚宮の顔があった。賛が馬尚宮を片手で制すると、親子内々の会話があると察したようだ。彼女はすぐ立ち上がり外へと出ていった。