この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第10章 再び春巡りて

雪鈴は静かに言った。
「それで、セサリ町に来られたのですね」
そうだ、と、彼は頷く。
「都にいるときの俺は、大抵、悪友どもと一緒だった。何ということはない、ただつるんで、遊び回るだけの悪友さ。心の繋がりだとか信頼関係なぞ、これっぽっちもありはしない。そんなヤツらは、俺が北方の田舎町に引っ越すと聞いて、皆せせら笑った。派手好きで、遊び好き女好き三拍子揃った文陽君が寒い片田舎ではひと月も我慢はできないと笑っていたよ」
「それで、セサリ町に来られたのですね」
そうだ、と、彼は頷く。
「都にいるときの俺は、大抵、悪友どもと一緒だった。何ということはない、ただつるんで、遊び回るだけの悪友さ。心の繋がりだとか信頼関係なぞ、これっぽっちもありはしない。そんなヤツらは、俺が北方の田舎町に引っ越すと聞いて、皆せせら笑った。派手好きで、遊び好き女好き三拍子揃った文陽君が寒い片田舎ではひと月も我慢はできないと笑っていたよ」

