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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第10章 再び春巡りて

普段から、良人は彼女にけして行李を開けてはならないと言い含めていました。その行李には亡き両親の大切な形見の品々が入っているから、誰にも触られたくないのだという彼の言い分は至極理に叶っています。ゆえに、妻は良人の言いつけを守り、行李には手を触れたこともなかったのです。
妻は驚愕しました。行李には父母の形見などは入っておらず、ただ、良人の着古した襤褸、いちばん上に見慣れた外衣と紗がきちんと畳まれて入っていました。
妻は驚愕しました。行李には父母の形見などは入っておらず、ただ、良人の着古した襤褸、いちばん上に見慣れた外衣と紗がきちんと畳まれて入っていました。

