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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第10章 再び春巡りて
 コンがそっと手を伸ばし、雪鈴の髪を撫でる。ここまではいつものことだ。しかし、今日は違った。男性にしては長く綺麗な指が髪から頬へとすべり落ち、ツウーっと肌を辿り唇で止まった。



「そなたが花嫁衣装を纏えば、どれだけ美しかろう、それを眼にすることのできる男は朝鮮一の果報者だろうな」



 コンの指先は長らく雪鈴の唇にとどまっていた。今や頬だけでなく、貌が熱い。彼の手の温もりを感じる唇は燃え盛るようだ。
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