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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第11章 祈り
扉が軋みながら開く。コンが笑顔で言った。もう本来の彼らしい落ち着きを取り戻しているようだ。
「雪鈴を残して、俺は死なない。いつだって、俺が帰るのはそなたの側だ」
言葉と共に扉はまたかすかな音を立てて閉まった。
それでも、コンが帰ってくるまでには、四半刻余りはかかった。その間中、雪鈴は気が気では無かった。もしやコンが急な斜面から足を滑らせたとしたらー。大怪我をして帰ろうにも帰れなくなっているのでは。