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張型と旅をする女
第3章 箱の中

「うふふふっ。扉を開けるのは久しぶりだものね。嬉しいの?」
女は中指の先で太く延びた筋を下から上へ、ツツっとなぞった。すかさず亀頭のくびれもゆっくりと一周する。

これは張り型だ。造り物なのだ。
妙に艶めかしいのは、商売女のような巧みな触り方のせいだ。

「しばらく開けれなくて悪かったわ、思い切り外の景色や風を感じて頂戴」そして張り型に顔を向け通路側の窓の外を指さした。
「ほら、あすこの山は紅葉が始まっているわ」

張り型と会話をしているつもりなのか。

「わたくしは先に一杯頂いたのよ。そう、先週泊まったでしょう…そこで買ったの。キリッとした口当りでわたくしは好きよ…あらそう。わかったわ」

そう言い酒が半分程残っていたお猪口に、徐ろに指を2本突っ込むとびっしょり濡れた指の腹を男根に、亀頭に擦り付けた。

「ふふ、美味しいのね。ほらもっととうぞ」
女は嬉しそうにまた濡れた指を上へ下へと這わし、亀頭をくるくると撫でた。

女の声と、その指使いから目が離せない。

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