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第5章 crêpe sucrée

「イケメンなワンちゃんによろしく」
からかい口調で言う咲希を軽くにらんで、階段をかけ下りる。

「莉乃さん！」

笑顔で叫ぶ俊太は、本当に人懐っこい犬みたいで、つい笑ってしまった。

「莉乃さん、何かいいことありました？」

「あったよ。でも教えなーい」

「ずりー」

「あはは」

俊太は眩しそうに目を細め、なぜか頬をつねられた。
ふくれると、ふふって優しく笑って手を差し出す俊太。いつもの優しい声に安心する。