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プレイボーイの憂鬱
第1章 ため息1つ
そう言うと俺はフォークを握ったままの加奈ちゃんの手を
両手で包んでいた。

「吉岡先輩。噂と違って優しいんですね」

は?
俺の顔は知らなくても
俺の噂は知ってるってことか?

「どんな噂だよ・・・」

「とにかくモテるんですよね?」
まぁ・・な。
「いい女なら誰でも寝るんですよね?」
・・・・
「1度寝た女も名前は覚えないんですよね?」
・・・・
「でも、なぜか人気者なんですよね」
・・・なぜか?
「顔がいいからですかね?」
・・・・
「顔がいいって得ですよね~」
・・・・

言ってくれるね?加奈ちゃん・・・

でも、俄然元気になってきたらしい。
俺の噂話を嬉々として話し出して

「やっぱり、かっこいいですもんね~」

と言いだした。

「彼女は作らないんですか?
やっぱり不特定多数と寝たいからですか?」

初対面なのに
突っ込むね・・・この子は・・・

今まで泣いていたのが嘘のように
興味津々で
身を乗り出して聞いてくる加奈ちゃんが
おかしくなって
ついつい吹き出してしまった。






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