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疼く…
第3章 第3幕 麻以の名のもとに
まるで知らない土地に連れて来られた感と違和感。彼は まるで自分の庭のように歩く。そういえば 見たことのないハイヤー、ナンバー…え!?品川?

『麻以、ここは僕の別荘があってね、この辺り一帯は僕の、正確には祖父から譲り受けた土地でね。やっと来ることが出来たよ』

何を言ってるの?わかんないよ!あなたは何者??私、殺されるの?あー!なんで色欲なんて起こしちゃったのよー(泣)お願いします!神様 仏様!これは夢だと言ってください!ぃやーっ!助けてぇ(号泣)

『麻以、心配することは何もないよ、安心しなさい』『さ、入ろう』


それから



彼は 自分はちゃんと某有名企業の営業職であること、独身であること、変わった性癖があることなど 淡々と話しはじめた。

営業職は名目上で企業の偉い人だということ、奥様とは数年前に別れたこと、それより、それより



私は 正真正銘のMで 彼は私のような女を探していたS、サディストであるということ



やはり 私は 日本語なのに、その日本語を理解できず 心がさまよっていた。
何故?私は 自分がMとか その世界の人種には到底思えずにいたから。
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