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愛欲と追憶の日々
第5章 土曜日
そう、私は思っていた。
それに、やはり乾杯はビールがいいと思っていた。
(そうだ、氷も無かったのだ…)
心の中でそう呟いた。
アイスコーナーで1kgの氷を取りカートに入れた。
レジに行くとすでに大勢の人で混みあって長蛇の列が続いていた。
その長蛇の列に自分も並ぶ。
会計を済ますと買い物袋に荷物を入れ、車に戻ると自宅へと車を走らせた。
私が運転する車のエンジン音を聞きつけると、愛犬のマルが玄関まで出迎えてくれる。
愛猫たちは、掃き出し窓のレースのカーテンの外に出て日向ぼっこをして眠っていた。
そんな愛猫たちの姿を見ると、私は心の平和を感じずにはいられなかった。
愛犬マルは私の後を付いて、キッチンまでやってくる。
食材を冷蔵庫に入れ、氷を冷凍室に入れた。
これで、準備は万端だった。
後は、夜になるのを待つだけだった。
タカシは夜に来ると言っていた。
だが、何時に来るとは言っていなかった。
一体、何時に来るのだろう。
そんな、不安が心をよぎった。
あれやこれやと、家事をやっていると自然と夕方になり、夜が訪れた。
時刻は午後7時前になっていた。
私は、7時過ぎにはタカシはやって来るだろうと勝手に思っていた。
なので、その時間に合わせて料理を作ろうと思っていたのだ。

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