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生贄の 人妻
第2章  二度目の 訪問
「 今夜も 行くからな 」

金曜日 退社しようとした 拓哉を森が呼び止め
厚い唇を歪め 好色な目で言って来る

何も言い返せない 拓哉は項垂れ 携帯を取り出すと
麻衣に 部長を連れて帰ると 連絡を入れ 携帯の向こうで
麻衣が息を飲み 少しの沈黙の後 明るい声で

「 何か 美味しい物作っておくね 」
声が聞こえて来た

執務室の森は電話を掛け 書類に目を通して 印鑑を押し
内線で 社員を呼び出して指示を与えと 奮闘する姿を
拓哉は 机に座り待ち続けて居た
180センチの 肥満して歩く巨体を

ーーー大黒様ーーー 

森のニックネームだった
大黒様の様な 大きな腹と 笑みを浮かべた顔を 
大きな足が踏みつぶしたような 歪んだ顔に
厚い唇と 大きな潰れた顔が 50を過ぎても
独身なのを 皆が納得していた
朝礼暮改は当たり前 気に入らないと 平気で
地方へ飛ばしてしまう ワンマンな体質も
社長へ取り入り 社長の前では 借りて来た猫の様な姿に

・・・デビル 大黒・・・ 

社内では 公然と呼ばれ 女子社員は 森の席に近寄るのを
回避しようと 仕事の中で根回しする事が多く
どうしても 必要な書類の時 他の女子社員が ここぞと
押しつけて 婆抜きゲームと社員の娯楽に 成っていた
森が 手の空いている時に 女子社員を見る目は
まるで制服の下の 裸を見る様に ねっとりと視線を運ぶことで
女子社員が 給湯室で 今日見られたのと
愚痴を溢す事も日課と成っていた

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