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12歳年下の彼と同棲開始する話
第1章 2024年4月5日

寂しそうにしている葵の言葉を受けて
小林も同じ様にして、
パンダ舎のある方向に身体を向けた。

『あ、今度あれ、あれ乗りましょうよ』

そう言ってパラソルがついた
2人乗りの乗り物が
ぐるぐる回るパラトルーパーを
葵が乗ろうと小林に声を掛けて来て。

「港斗君…」

自分達も同じ物を乗るかと
巴が隣にいた港斗に声を掛けると
港斗が首を横に振っていて。

『僕達はあっちでも乗りましょうよ』

そう言って同じ方角にある
ティーカップを指差した。

『二人の邪魔しちゃ悪いですしね』

パラトルーパーは2人で乗れるし
身体がかなり密着するから
あの2人が乗るには
親密度も上がりそうだし
ぴったりですしね…と港斗が
パラトルーパーの列に
並んでいる2人の方を見て言った。

「コーヒーカップも久しぶり…」

『ここのはティーカップですよ』

確かに…乗る部分の形は
ティーカップだな…。
コーヒーカップって言う
呼び方してるけど…。
確かに場所によっては
中央がティーポットになってる
遊園地がどっかにあった様な気がする。

……彼と…ティーカップに
一緒に乗ったんだけど…
案の定…ぐるぐる回されてしまって。
ふらふらしながら戻って来ると
私も乗りたいと…葵が言って
小林とふたりでティーカップに
乗る姿をスマートフォンに納めて。
LINEに画像を送ってあげた。

最後に…2にんずつで
あれ乗りましょうと…
動物の顔になっている
観覧車を葵が指さして。

私と港斗君、葵ちゃんと小林君の
2:2に分かれて観覧車に乗って。
小さな空の散歩を楽しんだ。

ゴンドラの中からは
ぼんやりと園内に白く浮かぶ
桜の木の姿が見える。

『あの辺りが…さっき
夜桜の通り抜けをした辺りですかね。
あ、そうだ…巴さん…。
巴さんの家の家電取りに来るのって
確か日曜日でしたよね?だったら…明日』

「お父さんが家電と
ベッドを取りに来てくれるのは
日曜日だけど…、明日がどうかしたの?」

『明日の明るい時間に
…ここに来ませんか?
桜…も見れますし、動物も見れますしね』

最後に…ここに来てから…
確かにもう随分と経っていて。

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