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わたしの彼は 甘くて強引
第9章 紳士な意地悪は如何ですか?

だがこんなことで簡単に引き下がる彼女ではない。


暫く腕を組んで考えていた陽子は、ある答えに行き着いて顔を輝かせた。




「じゃあーパパがいい!!」


「――ッ!」


「…ちょッ!!…ちょっと陽子何言ってるの!?」



パパがいい――

それの意味するところを彼女は分かって言っているのか


多恵はギョッとして大慌てで陽子をたしなめる。



「パパならいいでしょ?」

「ダメ!!」

「えーっ、何で!?」

「…お兄さんも困ってるでしょう!?」

「何で?ママはお兄さんのことが嫌いなの?」

「そうじゃなくって…っ」


なんて大胆な事を言うのだろうか、この子は


多恵は真っ赤になって怒った。


子供の言う冗談だからと軽く流せばいいのだが…、今の多恵にはそれができなかった。



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