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わたしの彼は 甘くて強引
第6章 悪い男

「――…」

翔は表情を変えないまま、多恵の顔をじっと見つめる――


「……///」

「……、…赤くなっている場合ですか」

「…もッ…申し訳ありません……っ」


そんな事を言われても

彼のような男に見つめられて照れるなというのは酷であろう――



「…はぁ…」


翔は軽く溜め息をついた


「どちらにせよ、借金ばかりは俺には手助けできませんから。返済の見通しはたてるようにして下さい」

「……はいっ」


怒りもいつしか収まってしまい、彼は部屋を出ようとドアノブに手を掛ける。





「――…そういえば」



後ろを振り返った




「…髪…、…今日は結んでいないんですね」


「えッ…?…はい…っ」


「……そちらの方があなたに似合っています」



...ニコッ




「そんな…、こんな癖毛で…お恥ずかしいです…」




優しく笑った翔に彼女はますます頬を赤らめて、そっと髪を耳にかけた――










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