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第17章 年末年始の新婚旅行

「なにがあったの」

凛の瞳が不安に揺れる。

「凛と離れたくない」

翼は肩を震わせて泣き始めた。凛はうろたえつつもぴったりと体を押し付け、背中を優しく撫でた。

気位が高く、心も体も逞しい男が、このときばかりは脆く儚く凛の目に映った。

あまりに突然に鎧を脱ぎ去ってか弱い姿を晒した翼を前にして、得体の知れない不安が、凛の心に暗い影を落とした。