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君とメメント・モリ
第20章 死神の力
インターホンの画面を見つめ、凛の動きが止まる。

「やあ、ひさしぶり。岸辺です」

快活な声で言った岸辺は、にこにこと笑って画面に向かってぺこりと薄くなり始めた頭を下げた。



「翼さんは、ここを出ていきました」

凛は岸辺を部屋に上げ、お茶を淹れながら言った。

「そうだったか」

岸辺はテーブルの上を眺めたまま、うなずいた。かすかにほほ笑んで、何かを思い出しているようだった。
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