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君とメメント・モリ
第21章 仕事始め
翼は凛を抱きしめた。

「今日は凛を駅まで送るよ」

翼は凛とともにマンションを出た。

冬空の白を背景に墨を散らしたようにカラスが飛んでいる。キリリと澄んだ空気は頬を痛いほどに冷やした。駅へと向かう人々の足音が、日常へと二人を引き戻していく。

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