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第21章 仕事始め

「翼さん、どうしちゃったの、まって」
電車の音は、線路をきしませる明瞭な音へと変わる。

凛に憑いた死神が、くるりと身をひるがえした。
刹那、死神に再びつかみかかろうとした翼の体が、線路の上に飛翔した。

両手は、何かを掴むように拳を強く握り締め、瞳は何かをじっと睨んでいる。凛に憑いた死神を掴んでいるのだ。死神もろとも、線路へと落ちてゆく。