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君とメメント・モリ
第3章 クリスマスイブは、やるせなさとともに
拓斗の顔は本来好みではなかった。

ともすると女の子のような繊細な顔は、微笑むと砂糖菓子のように一層甘くなった。仕事はできて、キレ者と評価される拓斗が、あどけない笑みを浮かべるそのギャップで、周囲の女性社員たちからの人気は高かった。

しっかり者に見られる凛は、本当はもっと逞しい印象の男性を理想としていた。がっしりとした体、見上げるほどの背の高さ、優しいというよりも、冷徹なほど鋭い目をした強引な男に力づくで抱かれて、ひいひい泣かされたい。
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